正式名は古くより「千歳鮓(ちとせずし)」と称し、16世紀、加賀一向一揆の一向宗徒たちの兵糧にその起源をもつと伝えられる歴史的名菓でございます。 森八家の始祖亀田大隅(後に前田利家公配下の武将となる)が、金沢近辺の一向宗徒たちの指導者であったことから、それが森八家家伝の保存食となり、加賀が前田家の治世となって平和な時代に移ると、徐々に形を変え、見た目にも端麗な銘菓に姿を変えていったと伝えられております。
現に森八家には、文政年間に茶道遠州流八世小堀宗中師の直筆になる「千歳鮓」の木看板が保存されており、約200年前当時すでにこの千歳鮓が長生殿と並ぶ森八の代表銘菓であったことがうかがわれます。
上質の小豆こしあんに独特の米飴をたき込んだ「千歳あん」を北陸産のもち米からなる求肥で包み、形は富士の山形となし、天然の本紅で染め分けた紅白の和三盆糖をふりかけた優美端麗なる姿はことに慶事にお喜びいただいております。独特のコクの深い甘味は不思議と舌の記憶に残り、全国の千歳ファンからは「忘れられない味」として永く愛され続けております。